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【突然の別れ】#1

嫌です…まだ…死なないで…。

「お父さん!お母さぁん!嗚呼ぁッ!逝かないでッ!ねぇっねぇ!ぁぁぁぁッ!!」

あの日私の御屋敷が燃え盛ったあの日…。両親が帰ってこないと通告を受けてしまった。あの火事の中両親は残された。生きたまま焼かれた。
私は突然の別れに心が落ち着かなかった。
「姉さん…。私は、私はどうすれば…」
数十年前 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

私は、宇恵途家の三女としてうまれた。
長女は梅子。次女は紗代子。私は京子。
姉2人は私にとても良くしてくれた。甘玉を内緒で五つ渡してくれたり、勉学や作法を教えてくれたり、海を見せてくれたり…。
私の両親の秋千お父様と綾子お母様も大好き。
そんな幸せな家族に一通の手紙が来た。それは私が13の時だった。
姉を嫁に貰いたいと言うのだ。それは鬼頭家の御当主様だった。御当主様は白桃郎でわずか23だった。噂では顔も良し性格良し能力良しの全てが揃っている当主様だったので勿論両親と、梅子姉様は大賛成。私と紗代子姉様も賛成したので結婚は決定。結婚する日にちは梅子姉様と紗代子姉様と私、京子の同じ誕生の日にすることにした。
結婚の日-
両親は御両家の鬼頭家と宇恵途家の挨拶をしに少し遠出をした。帰るのは数時間かかると伝達を受けた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄そして
結婚式が終わり御屋敷に戻るとそう。言った通り御屋敷が燃え盛っていた。
両親は御両家の挨拶でその御屋敷の中にいた。
しかし鬼頭家の両親はいなかった。
そう。そうだ。鬼頭家が企んだ宇恵途家を抹殺するための計画だったのだ。宇恵途家の京子、梅子、紗代子。3人しかいない状態で帰る家も無い。そんな時鬼頭家が助けに入り、宇恵途家の余った財産を奪い取ろうとしていたのだ。
私は許さない。私達宇恵途家に取り入ろうとしていたのも、親を殺したのも。
私は許さない。絶対に!!

5/19/2024, 12:50:17 PM