三羽ゆうが

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俺の彼女は無垢だ。どこまでも。いや、なんと言うか、純粋というか、純情というか。

とにかく、今の若者世代の中では珍しい程に単純なヤツだ。

人が困っていたら助ける、誰でも分け隔てなく愛想良く振る舞う。まぁ本人は愛想良くなんて考えてないんだろうけど。



純粋すぎる心は、時に危険だ。他の男がジロジロ見ていたって、電車で多少手が当たったって、こいつは何も思わない。疑わない。

…今だって、俺にこの後何されるか分かってないんだろ。ベッドに押し倒した時も、「もう寝るの?」なんて。

嫉妬深い自分はあんま好きじゃない。こいつが純粋すぎるから、余計自分が醜く見えて嫌いだ。



「……𓏸𓏸?大丈夫??隣で寝ないの?」

「…怖かったら言ってくれ、やめるから」

「何を???」

お前のその無垢な心、俺が汚すから。多分やめてって言われても、本気で泣かれるまでやめられないけど。

…でも、お前は俺のもんだってお前に教えこまねぇと、そう遠くないいつかの日に居なくなっちまう気がするんだよ。




ベッドがぎしりと音を立てる。𓏸𓏸は荒々しく口付けをすると、

「お前は、俺のもんだから」

そう呟いた。


『無垢』

5/31/2024, 10:52:35 AM