「どうしよう。」
視線の先の携帯画面にはごめん。しばらく会えない。と通知が表示されていた。
相手は私の先輩。先月私から告白し、太陽みたいな笑顔でOKしてくれた頼れる優しい先輩。
だけど1、2回デートしただけで最近素っ気なく、学校が終わると何だか適当な理由で足早に帰ってしまう。そして、一昨日届いたこの通知。
嫌われたかな。そう落ち込んでいると。
先輩から新しい通知が来た。今から時間ある?と。私はすぐにあると返事を返した。
ああ、ついに別れ話かな。とっさに返事してしまったから覚悟を決めよう。携帯から更に新しい通知が届いた。今着いたと。
「よっ、久しぶり。」
久しぶりに恋人として会う先輩の姿を見て私は驚いた。
先輩は大型バイクに乗り私を出迎えたのだった。私の驚いた様子を察した先輩は申し訳なさそうに話す。
「ごめん。実はバイクを買うためにしばらくバイトで会えなかったんだ。」
「私よりバイクが大事ですか。」
「そうじゃないんだ。これに乗ればもっと君といろんな所に行けるだろ。それにさ、大好きな君に何時で会えるしね。」
そう先輩は耳まで真っ赤にして照れている。さっきまで沈んだ私の気持ちが何だか晴れやかになった。
[大好きな君に]
3/5/2023, 2:18:11 AM