粉末

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今日が終わる。
白かった太陽が真っ赤に燃えて夜の訪れを告げる。
1日の内でいちばん落ち込む時間かもしれない。

「はあ…。」
いつもいつも同じことの繰り返し。
変化を望んでいるのに行動出来ない自分。
俺、このままで良いのだろうか。
こんなので君を幸せにしてやれるのだろうか。
「はあぁぁ…。」
ため息しか出ない。

「おかえり。」
やさしい君の笑顔が出迎えてくれた。
安心と少しの罪悪感で心が締めつけられる。
ちゃんと笑ってただいまって言えたかな。
「な、なあ…疲れてるところ悪いんだけど。」
「うん?どうしたの。」
「散歩がてらその、コンビニ行かないか?」
「良いよ。何か切らしたの?」
「……コンビニ限定のアイス、食べたいなって…。」
「うん。」
「…あと今日暖かいし…一緒に散歩したいなって…。」
「…デートのお誘いってこと?」
「………こと。」
「…はああぁぁぁ……。」
夕日まではいかないけれどほんのり赤い君の頬。
キスしたい。けど我慢だ。止まらなくなる。

右手にアイスとその他いろいろが入った袋
左手にかわいい君のかわいい手を握って
少し遠回りに沈む夕日を見送る。
落ち込んでいる場合じゃない。
君とまたデートするために
明日からもっと忙しくなるのだから。



沈む夕日

4/8/2024, 7:35:04 AM