27(ツナ)

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冬晴れ

僕の住むところは灰色に覆われた仄暗い世界、空がいつも雪雲で覆われていた。
酷い寒さで、外に出ると肌が張り裂けそうなくらい痛いから僕たちは地下で暮らしていた。

ある日、『ゴーン、ゴーン、ゴーン』地下街の鐘が3回鳴った。
滅多にない冬晴れの合図だった。
この合図があると僕たちは外に出ることができた。

数年に1回しかなくて、この時、僕は生まれて初めての冬晴れだった。
母に手を引かれてゆっくり外に出ると、あまりの眩しさに目が眩んで倒れそうになった。
父に抱えられた僕は、まだチカチカする目を凝らして辺りを見渡した。
地面は一面真っ白だけど、空は雲ひとつなくて、絵の具で隅から隅まで塗りつぶしたような淀みのない綺麗な青い空を見た。

一生忘れられない景色。
また見たい。
次の冬晴れの時まで生きていられるといいな。

1/5/2026, 11:12:26 AM