茶茶葉

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しんと静まった夜の町
 冬空はやけに空気が澄み、今日は星がよく見える。と言っても星座なんてよく分からない。小学校の時に習った気はしたがイマイチ覚えていない。

 吐く息は白い。手は寒さで赤みを帯び、見えないが多分鼻頭も赤くなってる。
 
 時刻は午前2時を過ぎていた。ほとんどの人が夢の中に揺蕩っている時刻に僕は現実世界を闊歩する。眠たく無い訳ではない。きっと帰ればすぐにでも寝られるだろう。ただ今日は何となく寝る事が勿体無い気がした。

 空を見上げれば星の明るさを際立たせる様な闇。ただの黒ではない、よく観察すれば深い紺色や紫に近い色合いも混じっていて僕はすっかり夜空に吸い込まれた。やけに綺麗で寒さも忘れしばらく空を眺めていた。
「ブウゥン…」
大通りに車が通った音で目を覚ました。時刻は午前2時40分
「さむっ…」

こんなに魅入られるなら星座の一つでも覚えようか。そう思い帰路に着く。




「ミッドナイト」

1/26/2023, 10:24:59 AM