好き勝手に生きてきた。何度他人と衝突したかわからない。この歳になってようやく分別というものが身についた、と自分では思っていたのだけれど。「晩ご飯用意してます」なんてメッセージがふいに届く。ああ、家に来ているのか、合鍵を渡したからそれはそうか、でも来てくれたのか、というかこちらの都合も聞かずに食事まで。たった九文字の伝言に頭は混乱、心臓は大暴れ。もう、全部壊す勢いで踏み込んで捕らえてしまいたい。擡げる欲を心の奥に押し込もうと、しばし深呼吸でやり過ごす。
(題:夢見る心)
4/17/2024, 1:56:33 AM