煌紅

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「なぁに、浮かない顔してるねぇ。
こーんなの端っこにいちゃ、アンタを見つけられないよ。次郎ちゃんが話きこーか?」
キャンパスの端の木陰で1人黄昏ていたら、頭の上から長い髪のカーテンがかかった。背中をバシバシ叩かれながら、隣に座ってきた。
「アタシにいってみなさいよ。ほーら。なに、気になっている人がいて、勇気を出してインスタ交換したら、パートナーがいたって?あー、それはドンマイさ。」
今にも涙が溢れそうな自分の目元をみて、両手で顔を挟んできた。何か思いついたのか、すくっと立ち上がり声高らかに、
「やっぱり気分転換にはお酒だよ!今から呑もうか。いいじゃん、こんな時こそ授業サボるべきよ。さぁいきましょー」と自分の腕を引っ張る。次郎におされるがまま大学を後にした。

7/17/2025, 3:34:01 PM