水面下の神話
日曜日の夜、神が僕の枕元に降りてきて言った
「貴方は自分自身を赦すべき」と。
僕はただ黙ってうなずいた
何も考えなかった
心当たりは山ほどあるのにもかかわらず
僕は自由になるんだ
あの山頂を越えた先に何かがあるように
不確かで計算誤りの人生だけど
高速道路を疾走するトラックのように
自由を求めて駆けていく
月曜日の朝、庭のプールに奇跡が起きた
水面下に異国の風景が映り込んでいたから
ひどく驚いたけど
学校に行く時間だから歩みを進める
世界はこんなにも丸いのを踏みしめながら
僕は自由になるんだ
あの原子力発電所の向こう側に何かが隠れてる
ぼんやりとした濃霧の中の人生だけど
線路の上を疾走する特急快速のように
自由を求めて溶け込んでいく
あの水面下の風景はきっと神々の王国
連なる山々も原子力発電所も
神の国、あるいは自由へのきざはしだったんだ
そして、僕は自由になるんだ
3/7/2024, 5:48:47 AM