悠明<ハルアキ>

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君の隣にいて、もう何年経つだろうか。
家が近くて同い年、幼稚園から今の高校までずっと一緒。
彼は自分とは正反対のような人だ。明るくて、クラスの中心にいる君。反対に自分は皆と馴染めなくてクラスの端っこにいる。こんな自分でも仲良くしてくれる彼に自然と惹かれていった。最近は関わる機会も減ってきたけど、遠くからみているだけでも満足だ。

――卒業式当日
今日は彼と同じ学校に通える最後の日だ。想いを伝えようか迷ったが家は近いままだし、言うのはやめた。彼と今日は一緒に帰ろうと約束して教室で帰りを待っていると、誰かが来る音がした。邪魔にならないように外にでた。誰が来たんだろうとみてみると彼とクラスの女子だった。盗み聞きはよくないと分かっていたがドアに耳を近づけた。
「わ、私貴方のことが好きなんです。付き合ってくれませんか」
告白しているのか 彼はどう返答したんだろう。

しばらくして女子は教室をでていった。表情は見えなかった。教室に入って彼に話しかける。
『お待たせ、太陽』
「よっ!」 元気な声が教室に響く。最後に僕は聞いてみることにした。
『太陽は“俺”のこと好き?』どんな返答がきても受け止めたい。
「もちろん、航のことは好きだよ」多分、僕の好きとは違うんだろう。なんだか凄く遠い存在に感じた。
やっぱり性別の壁って高いんだな。

後日、太陽を窓からみていた。隣にはこの間告白していた女子がいた。今まではそこに俺がいたのにな…。
君は俺には向けてくれなかったような安らかな瞳で彼女をみていた。

お題:安らかな瞳

3/15/2026, 2:39:21 AM