とても幸せな夢を見ていた。
そんな気がする朝の目覚め。楽しそうに笑う彼女の顔、寂しそうに私と別れる彼女の顔。時には百面相をする彼女。もう会えないのに、会うはずもないのに。
これはそんなありきたりなよくある話。
彼女が死に別れしたわけでも行方不明になったわけでもない。ただ別れただけだ。
でも私が心から愛していた人の話。
最初は友達だったが恋愛感情が芽生え恋人関係になった。初めて付き合ったときは私も彼女も幼く、恋愛とは、恋人とはどうなのかよく分かっていなかったのだろう。数ヶ月して別れた。
1年ほど経っただろうか。また彼女と再会した。再会した当初は気まずい空気だったが趣味が同じということでまた友達になった。
何故だろうか。人間というものは、いや私というものはまた同じことを繰り返す。彼女のことを好きになってしまったのだ。そして彼女も私のことを好いてくれた。
それから彼女と色々なことをした。手を繋いだり、デートをしたり、キスをしたりとたくさんのことをした。1年と少し経ったある時、彼女からの連絡が少なくなってきた。返信もそっけないものになっていった。
あぁ、そろそろ振られるのかな。そう思っていた数日後彼女から話があると言われた。別れたくない、まだ一緒にいたい。でも彼女の迷惑にはなりたくない。そんな気持ちが整理出来ないまま彼女の話を聞いた。
友達としての好きか恋人としての好きかがわからないそうだ。そんな気持ちで私と付き合ってるのが申し訳ない。だから別れたい。
そんな内容だった。わかったと答えた。私のわがままを言って迷惑をかけるのが嫌だった。そんな理由で自分の本心を伝えないまま彼女との交際を終えた。
それから2ヶ月か3ヶ月経っただろうか。彼女のことをたまに思い出す。私が生きてきた中で誰よりも好きになった彼女。誰よりも大切にした人。
今でも彼女との幸せな夢をたまに見る。
「夢を見ていたい」
こんな話を最後まで見てくれた貴方に一つだけ伝えたい。今、大切な人がいる人。これから大切な人ができるかもしれない人。もし別れ話や離れることになったとき、ちゃんと今自分が思っていること。それを伝えて欲しい。私みたいに後悔して欲しくないからだ。
それが恥ずかしかったり、プライドが許さなくても絶対に言って欲しい。結果別れることになっても言えてよかった。そう思える日が必ず来るから。
1/13/2024, 6:07:41 PM