喫茶店で苦手なコーヒーを注文した。
嫌なことがあった時、甘いものよりも苦いものを口に入れなさい。そうしたら、自分に起きたことが少しだけ苦くないように感じるから。
叔母のその言葉をまんまと信じて成人した私は、今日コーヒーを頼んだ。
コーヒーより苦くない。私の人生、このコーヒーよりかは、苦くない。
急に叔母を呼び出したが、叔母は今向かうね、と連絡をくれる。
嗚呼めぐまれている。うんと恵まれている。叔母にはどこから、何から、どうやって話そうか。そればかりを考える。
心がズキズキと壊れる音がする。コーヒーが冷めないうちに、私はどう話すかを整理する。
紙に書き出した文字たちはまるで私のように生き急いでいた。
/コーヒーが冷めないうちに
9/27/2025, 6:33:19 AM