多田野一人

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雨の香り、涙のあと
雨音が屋根を叩いた…さっき迄の青空は、嘘みたいに、黒く低くなっている…まるで、わたしの心みたいに…
久しぶりに、散歩がてら町中をぶらぶらしていたら、あのひとを見かけた…でも、その隣には、知らない人が寄り添っていた…まるで恋人同士みたいな、雰囲気で、見ていたら、急に胸が苦しくなって…気がつくと、家に戻っていて、ぼんやり外の景色を見ていた…
ポツポツ落ち始めた雨粒が、いつの間にか、糸のようになり…同じように、涙の止まらないわたし…

6/19/2025, 3:27:44 PM