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「どうしよどうしよ!!」
「ここまで来て渋るなよー」
「だ、だって最近はともかく前まで全然関わりなかったんだよ!?いきなり靴箱にラブレターなんて怖くない?そもそもラブレターに見えるかなあれ、」
「お前さっきまであんなにテンション高かったのにな
そんな不安にならなくても大丈夫だろ」
「でもー、あー入れちゃう?入れちゃう?」
「どうすんの?」
「すー、ちょっと待って…入れるわ」
「お!やっとか」


「あ!ねぇ田中の靴箱にラブレター入ってない!?」
「え?あぁ」
「どう?どう?」
「あー、宛名田中しか書いてないっぽいし間違えたんじゃない?うちの学校田中多いし」
「えー、本当に?」
「そもそも心当たりないって」
「じゃあそのラブレターどうするの?」
「そりゃあ送り主に返すよ」
「あれ?でもこれ送り主の名前書いてなくない?」


「で、どう?」
「どうって別に」
「昨日朝出しただろ?ラブレター♡」
「田中ちゃんさ、俺のこと嫌いなのかな…」
「はぁ?どうしてだよ」
「だってさぁ、田中ちゃんいつもマメだしさ!
カッコいいからしょっちゅう告られてるの、
でもさ、ラブレターに放課後体育館裏来てくださいってさ書いて授業終わったら速攻体育館裏で待機して待ってたのだけどさ!!来なかったの!他の子の時にはちゃんと行ってるのに!」
「うーん」
「もう!!それでも好きだからどうしようもないんだよ!」
「そういやさ、昨日から田中さんが送り主の名前のないラブレターを書いた人を探してるんだって」
「シンデレラじゃん!」
「だよなーてかお前ラブレターに名前書いたの?」
「え?どーだったかな」
「そこ大事だろ!」
「で!この話には続きがあってなしかもそのラブレター宛名が田中さんしか書いてないらしくて」
「あ!!田中ちゃん!?えーどうしたの、うちのクラスくるなんて!ま、どうせ俺には用事ないんだろうなぁ」
「おい!意識を飛ばすんじゃないお前の方に田中さん近づいて来てるぞ!?」
「え、うそ、俺死ぬ?」
「あ、いや殺すつもりはないよ」
「た、た、田中ちゃん!?」
「田中ちゃんって呼ぶの女子以外で君だけだよ」
「まさか俺シンデレラ…?」
「いいから!お前は田中さんに集中しろ!!」
「あぁ君がシンデレラだよ黒田くん」
「ぇ、え、そ、それってつまり!?」
「あ、紛らわしい言い方ごめん!手紙の送り主探してたらシンデレラを探してるみたいな噂になってたからシンデレラぽくしちゃった。これ手紙靴箱に入ってたよ」
「え」
「中身は読んでないから!安心して。頑張ってね」
「…」
「黒田くん!?」
こうして田中さんはショックで気絶した黒田くんを
お姫様抱っこして保健室まで運んだとさ。


黒田くん
田中さんのことになると乙女な
ガタイの良い男。

田中さん
黒田くんに懐かれて?いる。





結局ラブレターを書いたは良いものの想いが1ミリも伝わらず密かな想い状態の黒田くん。



これから黒田くんは田中さんに一喜一憂してどんどん乙女に。

田中さんはどんどん男前に。
そしてだんだん、乙女な黒田くんに振り回される羽目に。

2/20/2025, 1:55:48 PM