わたしは週一である方に手紙を出しています。
今日はその人と私についてのお話をしましょう。
彼の名前はラン。とある施設の実験体だった。
そして彼の担当研究員として私が派遣された
それが彼との出会いだった。
彼はまるで悪魔だった。真っ赤な目、鋭い歯、伸び切ったウルフヘアの彼は私を見つけるなり、襲ってこようとせずその場から逃げ出した。一目散に檻の奥に隠れる。
わたしは檻の扉を開け彼に近づく。
怖くないよ。怖くない。と安心させながら
だが、彼は、一向にその場を動こうとしない。
後数メートルと言うところで彼が立ち上がる。
そして私の方に向き直る。
伸び切った前髪から覗く赤い目は本当に恐ろしいものだ
だけどどこか彼は寂しい空気を纏っていた。
きっとひとりぼっちだったのだろう。。
私は彼の目を見て言う。
私の名前はマリアージュ。気軽にマリアでいいわ。
貴方を攻撃することも実験として扱うこともないわ!
だから怯えないで?ゆっくりでいいからこっちにきて?
彼はゆっくりゆっくりわたしに近づきぼそっと言う
僕の名前はラン。悪魔みたいだけど一応人間だ。
ランね!よろしく🤗早速だけどこれどうぞ。
わたしはポケットから一つチョコを差し出す。
これは?ランは不思議そうにチョコを見つめる。
食べてみて!甘くて美味しいわよ!
ランはポイっと口に放り込む。
うまい、、うまい!これ!なんで食べ物だ?
ランはとても美味しかったのかキラキラした目で聞く。
それはチョコっていうの。また持ってきてあげるわ。
そこからわたしは毎日毎日彼に会いに行った。彼は私が行くたびいい笑顔になっていき、楽しそうに話してくれる。自分の故郷や家族、友達の話だったり、わたしはいつしか彼が研究対象とも忘れて好きになっていった。
ただ現実はそうはいかなかった。
数日後ランに会いに檻に向かった時事件は起きた
彼は脱走したのだ。ある手紙を残して檻を破壊し、、
その手紙を読み私は号泣した。
マリアへ
僕は君と出会えて本当に幸せだった。
だけど実は僕は悪魔と人間のハーフで、ここで悪魔を抑えるために実験体としてここにいたんだ。
だけど、もう手遅れだ。僕の中で悪魔が叫んでいる
あの女を殺せ、あの女を殺せって、、
僕は君を殺したくない君みたいな大切な人を失いたくない。だから僕は旅に出ます。
マリアまたどこかで会えたらいいね。愛してるよ、、
親愛なる ランより
たった数ヶ月だけど彼はわたしにとってこんなに大きな存在だったのか、、その日は一日中泣いた。
泣いて泣いて泣き続けた。もう会えないかもしれない。
そう思ったら辛くて辛くて、、
数日間からのいない牢屋にずっといた。手紙を握り締めずっと何もせず、、そのとき思ったの。彼はわたしに手紙を書いてくれた。のにわたしは返してない。返事を書かなきゃって
そして彼に手紙を出す事にしたの。
この手紙はどこに行くかは分からない。だからこそいいのよ。いつかこの手紙の行方が彼に行けば、わたしはそれを願って週一必ず彼に手紙を出してるわ。
死んでるかもしれないし病気かもしれない、だけど私は彼にもう一度会ってちゃんと想いを伝えたい。
2/18/2025, 2:20:42 PM