―――「子猫」
今まで出会った子猫の中で、一匹だけずっと忘れなれない子猫がいる。
その子猫とは私が両親と妹と住んでいるアパートの共有
駐車場に突然現れて、色んなおうちの車の下に隠れていた。
「ニャーニャー」と少し弱った声でなく子猫に、
「車の下だと危ないよ。何もあげられないし、保護してあげることができなくてごめんね。」と声をかけた。
本当はもっと様子をみたかったけれど用事の時間が迫っていたので、声をかけた後、その場をすぐに去った。
数時間後、私はこの判断すごく後悔することになる。
用事が終わって家に帰ると、お母さんが慌てた様子でこちらへやってきた。
母 「〇〇子猫のことみた??」
私「見てないよ。どうして?なんかあったの?」
お母さんは数秒沈黙した後、
母「〇〇にとって、少し辛いものになってしまうかも
しれないけど大丈夫?」
私「うん」
母「今朝みた子猫いるでしょ?あの子カラスに襲われて
〇んでしまったみたいなのよ、、、」
私「え、、、」
私はこの瞬間、朝の自分の行動を深く後悔した。
あの時、もっと安全な場所に連れてってあげれば、、、
あの時、誰か頼れる大人に相談して子猫のことを助けてもらったら、、、
あの時、あの時、あの時、あの時、、、、、、、、、、
母「〇〇、〇〇!」
母「辛いよね。でも現実は変えられないのよ。
だからせめて、手を合わせにいかない?」
私「、、、そうだね」
そうして、母と2人で子猫が亡くなってしまった場所に向かった。
掃除や処理などは既に業者の方がやってくださっていて
いつもどうりの状態に戻っていた。
でも心なしか周りの空気は重かった。
母「手を合わせよう。頑張って生きたね。お疲れ様って」
30秒ほどたっただろうか。
2人で目をあけた。
とても辛い思いをさせてしまったと同時に、向こうでは楽し過ごせているといいなと思った。
この先何十年たっても、この出来事は忘れられない。
けれど、毎年子猫と出会ったこの季節になると思い出して、「まだ私の心の中では生き続けているよ。」って伝え続ければ、あの子猫が生きていた証が残り続けると私は思っている。
11/15/2023, 1:52:30 PM