作家志望の高校生

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僕は怖がりな人間だった。
選択に責任を持つのが怖くて。何も選べない人間になった。
選択肢を出されても、誰かが先に選ぶまで、何もできない。
人生に責任を持ちたくなくて、常に誰か、責任を持ってくれる存在が欲しかった。
そんな時、彼と出会った。
常に誰かの主導権を握りたくて、誰かの人生が欲しくて仕方ない彼。
彼と僕は、奇跡的なまでに相性が良かった。
何も選べない僕の選択肢を、彼が選んでくれる。
自分で責任を負わなくていい人生というのは楽なもので、失敗しても何も気負わなくていい。誰にも責められない。
彼は僕を支配したいらしい。
僕がいい子にできたら、たくさん褒めてくれる。
歪んだ関係なのは分かっている。でも、あまりに心地よかった。
人生が怖い僕は、誰かの犬として生きる方が楽だった。
飼い主のくれる甘い甘い餌だけを食べて、温かい部屋でぬくぬく過ごしているだけでいい。
なんと甘美で、楽で、素晴らしいのだろう。
彼も楽しいみたいだ。
僕という、意志のある一人の人間の人生の選択権を握ることに、ただならぬ快楽を得ている、
彼も、怖いのだ。
自分で何も選べず、他人にとって薄味な人生を送るのが。
だから、他人の人生を支配して、覚えてもらおうとしている。
僕らは正反対なようで、よく似ているのだ。
2人とも怖がりで、歪で、どうしようもない。
世界を怖がる僕たちは、今日も互いの欠けたところを、歪に出っ張った部分で埋め合って生きている。
怖がりに厳しいこの世界で出会えた僕らは、きっと曲がりなりにも運命なのだろう。

テーマ:怖がり

3/17/2026, 8:55:02 AM