《 子供の頃の夢 》
わたしにも、小さい頃は夢があった。
それこそ"お花屋さん"とか、"果物屋さん"とか。
あの頃はわたしもきっと
今公園で楽しそうにはしゃいでいる子供たちと
同じような感じだったのだろうと思う。
いつからだろう。
"夢"が、"やりたいこと"が分からなくなったのは。
流れるように進学し、気がつけば卒業。
初めは真面目に話を聞き通っていた就職ガイダンスも、
いつからかサボるようになって。
今では高校生のときに働いていた職場でだらだらと
フリーター・アルバイト生活を続けている。
今のままでいいのかと、自分に問うても
答えは返ってこない。
夢もやりたいことも何も分からない、
気がつけばこんな廃人になってしまった。
周りはみんな大学に専門学校、就職にと。
わたし一人だけが何もできていないような、
そんなわたしに価値なんてないような
孤独や不安、焦燥を常に抱えて必死に呼吸をしている。
わたしは明日が不安で、怖い。
明日が来るのが、苦痛でたまらない。
明日も何も無い無価値な一日を過ごすのかと
怯えながら眠りにつく毎日だ。
わたしにもかつて夢はあったのに、今は……
大人に近づいていくにつれ、忘れていく感情。
薄れていく喜怒哀楽。
わたしはまた夢を抱けるのかな。
あの公園ではしゃいでいる子供たちみたいに
キラキラ輝ける日は来るのかな。
……わたしに価値なんて、できるのかな。
今日もまた無価値な一日を終えて
後悔の念を抱いて
わたしは明日に脅えながら眠りにつく──。
6/23/2025, 2:45:21 PM