さくり、さくりと音を立てて、シャベルを地面に突き立てる。何を掘っているのか、それさえも分からないまま、私は土を掘り続けていた。
やがて、かちりと音を立てて、シャベルの先端が何かに当たる。きっと、それが私の探しているものだったのだろう。丁寧に、私はその回りの土を少しずつどけていく。
「え……」
やがて、現れたのは白い骨。そして、文字の消えかかった、見覚えのある名札。
「私の……名前だ……」
だとすれば。
私が探していたのは、私自身だったのか。
7/20/2023, 10:13:10 AM