あの純粋さを持ち続けたかった。
なんて、今更思う。
過去は悔いぬ、変えられぬものには、固執はしない。
幼き頃、親に存分に甘えたかった。
しかし、もうあの時には戻れない。もう、家族はいない。
誰一人として、もう此の世にはいない。
もう……やっと……血の呪縛から逃れられた。
そう思っていた。
そして、気が付いた。
一度、汚れた手は……もう二度と綺麗になることは無いことに。
此れこそが、血の呪縛という事に。
ハハハッ…、嗤える。
まるで、悲劇の主人公みたいに滑稽だ。
ひどく嗤える話しだろ?
嗤ってくれよ、…………頼むよ。
笑ってくれよ、…………子どもみたいに。
10/13/2023, 10:47:56 AM