本を引きちぎりたくなった、というのがその証明ではないか。
引きちぎって粉々に破いてゴミ箱にぶち込みたくなった。読んでも読んでも理解できなかった。
人には「唯一無二=ユニーク」という価値があり、ユニークは人が生まれながらにしてもち、死ぬまで変わらない価値だ、といったことが書かれていた。
でも、だから、それを保たなければ価値がなくなってしまうんだろう?保ち続けなければならない、ユニークで有り続けなければならないというのに「死ぬまで変わらない価値」って、どういう意味なんだよ。本当に分からない。意味が分からない。この本は何を言ってるんだ?
本気で混乱した。この混乱と引きちぎりたい衝動が自分の歪みを証明してるみたいでもっと叫び出したくなった。それで思った。「図星を指されたんだ」って、だからこれだけ苛つくんだって、歪みが本当にあるんだって。
個性、ないな。
ない。全然、びっくりするほど。全く。
ユニークでなければならないと思ってきた。特別でなければならない、面白みがなければならない。でなければ認めてもらえない、良い評価を得られない、有象無象に埋もれてしまう、見てもらえなくなる。そう本気で思ってきた。
なんもねぇな。
ずっとなんもなかった。虚勢を張った思い描く空想の自分と、取り柄のない自分しかいなくて、等身大の自分なんていなかった。だからブレる、軸がないから、だからすぐ周りの影響を受けて落ち込んだり調子に乗ったりを繰り返して不安定になる。
等身大の自分なんて知らない。
経験が少ない。幼い。まだ世界が狭い。
「普通」に見えているだけで、実はみんな、みんな、頑張って生きてるだけなのか。
誰しも大なり小なり傷つき悩み苦労して生きてきて、その中で立ち直って、立て直して、本人なりの生き方ってやつを身に着けて、あたかも「普通」を装って、生きているだけだ。みんなそうやって生きてるんだ。
みんな同じなんだ、人を傷つけ人に傷つき、そんな中で後悔と反省をして、失敗から学び、そうやって成長しているだけの話だったんだ。
自分だけが特別なんじゃなくて、きっとただ、幼いだけだ。未熟なだけで、精神が、いつまでも、
いつまでも
「人を見て、人に触れ、人から学びなさい」とはこのことなんだろうか。
だから「いつまでも自分の世界ばかりで生きていれば、視野は狭くなり、次第にどんどん歪んで解けなくなっていく。だから外の世界を見なさい。その小さな世界ばかりで生きるのをやめ広い世界に出なさい」と、先人たちは言うのだろうか。
自分の世界が小さいことにそもそも気づいていなかった。そんなわけがないと、信じたくもなかった。
なんもねぇな、自分。
なんもなかったんだな。
あれも、これも、全部、誰かの受け売りだ。誰かの何かに影響されて奪ってパクって模倣しただけで、中身、空っぽだな。
おいおい、ユニークさの欠片もねぇな!
全部、全然、全部、馬鹿みたいだな!!
馬鹿みたいだから、ちゃん向き合わないといけない
11/23/2024, 4:20:32 PM