風雪 武士

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Kiss

公園内を歩く高校生の男女が会話をしている。
「武士、助けてよ」
と唯美は懇願した。
「ちゃんと断ればいいだろう!それだけだ」
武士は冷たく言い放った。
「勉に何回も付き合えない!って言ってるのに毎日のように私に交際を申し込んでくるのよ!しつこいのよ!」
「俺には関係ない。自分でなんとかするんだな」
「分かったわ、勉を説得できたら貴方にKissしてあげる」
「なに、本当だな、よし、分かった!俺が助けてやるよ!約束は必ず守れよ!」
武士の目が輝やいた。
「女に二言はないわ」
数分後、勉が二人の前に現れた。
唯美は大木に隠れた。
勉の前に武士が立ちはだかる。
「唯美に用があるんだよ!邪魔だ!どけ!」
勉は怒鳴った。
「唯美はお前と付き合えないと断ってるだろ!諦めろ!」
武士は正論を言った。
「うるせぇ!お前には関係ないだろう!!」
シュッ、勉の右ストレートが、風を切って飛んできた。
ドゴッ、バコッ、バシッ、武士は攻撃をかわすと、勉の腹に左右のボディブロ−を連打した。
勉はくの字でひっくり返り、そのまま仰向けに倒れた。
「しつこい奴はモテねぞ!潔く諦めるんだ!」
「ウグッ、ウ−ン…」
勉は苦渋に満ちた声を漏らした。
「よし!説得したぞ!唯美、善は急げ、今すぐkissしよう!」
武士はニヤニヤしながら後ろを伺った。
だが、唯美の姿は何処にもなかった…。
「何が女に二言はないだ!騙しやがって!純心な男心をもて遊ぶな!!」
夕暮れの公園に虚しく声が響いた。



2/5/2026, 6:15:49 AM