【凍える朝】凍える朝にあなたが来る。指先も、足先も、体の芯から凍りつき、身動きもできず、目を閉じた暗闇の中で、あなたの温かさだけは不思議とわかった。さあ、その手でわたしに触れて。あなたの熱でこの氷を溶かして欲しい。頬を滑り、唇をかすめ、目元に触れる。薬指を手に取り、手のひらを握りしめ、包み込むように私のすべてを温めて。そうすれば私の目はゆっくりと開き、溶けた氷の雫を瞳に溜めながら、きっとあなたを見上げるでしょう。
11/2/2025, 4:16:08 AM