かきくけ子

Open App

お母さんはしょうたの10才の誕生日に
「鍵」与えます。
銀色に光ったゴツゴツした細長い「鍵」です。

お母さん、これなあに

これはね 『鍵』だよ
しょうたが何かを選んで進む時に
未来への
大切な『鍵』だよ。

どこを開けるの?

どこも開けないよ。
そうだね
開けるとしたらしょうたの胸の中さ
その時まで机の中に
しまっておきなさい。

その時っていつだろう

しょうたは机の中にしまいながら
考えました。
スーパーでチョコかアイスを
選ぶ時かな
休み時間にサッカーか
ドッチボールを選ぶ時かな

考えた後、しょうたは「鍵」を
再び取り出します。
何だか魔法の宝物を触るようで
秘密めいてドキドキしました。
お母さんの言葉を思い出しながら
「鍵」を胸に当てます。
目をつぶっていると
何だかホッとした気持ちになり、
お守りのようだと思いました。
しょうたは大事に大事に
机の中にしまいました。

              …続く

#440









1/11/2025, 4:21:59 AM