【街の明かり】(300字)
この街は今日も眠らない。人々は午前二時を過ぎても道を行き交い、林立したビルは煌々と明かりを灯し続けている。
ブラック企業ばかりが集まっているわけではない。飲み屋街があるわけでもない。そもそも、この街には会社も飲み屋も存在しない。五日前まではあったが、すべて機能しなくなった。同時に、明かりを消す者もいなくなった。
立ち並ぶビルの一つ、とある研究所から漏れたゾンビウィルスは、瞬く間に街に広がった。近隣の地域もどんどん汚染され、国は大混乱に陥っている。
いつかは電気の供給も絶えるだろう。その日まで、この街は昼も夜も変わらずに明かりを灯し続ける。昼夜もなく蠢く新しい住民たちが、光を忘れていようとも。
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普段は忘れていますが、電気が絶えず供給され続けているって、めちゃくちゃありがたいことですね。とくにエアコン必須のこの時期は!
しばらくはお休み、もしくは300字が続きます。
7/9/2024, 1:17:50 AM