もう一歩だけ、
俺はずっと、
君を見ていた。
君と俺は、
ずっと友達で。
きっと親友で。
でも、…それだけ。
本当は、
君の隣に立ちたい。
君の特別な存在になりたい。
そう願ってた。
だけど。
君に話し掛けると、
余りに透明に笑うから。
俺はそれ以上、
言えなくなるんだ。
もう一歩だけ、
君に近付きたい。
俺の中に、
何度も生まれ、
そして、消えていく。
もう一歩だけ、
君に近付いて、
君の視界を占領したい。
一瞬でいいから。
俺だけを見て欲しいんだ。
そんな俺の願いは、
夕暮れの風と共に、
ふわりと舞う。
手の届かない想いが、
弾けて消える。
悲しい程にあっさりと、
…何の跡も遺さず。
8/26/2025, 8:10:43 AM