わたゆめ

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運命

教員2年目の春、私の職場に新卒採用の女の子が入ってきた。
それは私の小・中学校時代の友達の妹だった。
友達のお家は歩いて5分ほどの近間。お互いの家に遊びに行くような仲だった。
妹とはほとんど話したことはないけど、顔見知りだった。
小学校のときの彼女の顔しか知らないが、立派なスーツに身を包み、私のデスクに現れた。
お互いに顔を見た途端、「お!」っと声が出た。
「◯◯さん?」「◯◯ちゃん?」
まさか、同じ担当教科だった。
私に出来た初めての職場の後輩だ。

それから5年間、仲良くやってきた。
彼女は常に私のあとの学年を担当したので、私は常に1年先の経験をして、惜しみ無くその経験を彼女に伝えたし、彼女は要領よくその全てを学びとって追い付いてきた。
彼女と私は同志だった。

1年前に私の順番が回ってきて、1年先に異動を経験した。
異動先での苦労を話したくて、研修で一緒になるとよく帰り道にお茶に誘った。

そして昨日ついに彼女から連絡がきた。
「異動先が決まりましたよ。」
今年は1年下の彼女にその順番が回ってきたのだった。

「まさか、私のところ?」
私の職場でも異動が出たので、まさかと思って聞いてみた。

そのまさかだった。
その連絡が来たとき、私は車の信号待ちだった。
目の前に彼女の車があった。
またまた、前後で運転をしていたのだった。
同じ方向の職場なので、よくあることだった。
だけど、それは朝の通勤のときがほとんどで、帰りに前後になることはほとんどなかったと言ってもいい。

だけど、この日はたまたま帰り道の車で前後になった。

彼女は私に気がつかずにコンビニの駐車場に入っていく。
私も彼女の車を追いかけた。

そうして、1年ぶりに同じ職場になれたことをお互いに喜びあった。

3/19/2026, 1:15:48 PM