※例によって三本立てです。
お気に入りの本を見つけました!
3日で読んで捨てました
お気に入りの服を見つけました!
古着屋で高く売れました
お気に入りの曲を見つけました!
サブスクで20分聞きました
お気に入りの店を見つけました!
見て楽しいって素敵でした
お気に入りの人を見つけました!
近すぎて嫌いになりました
…………飽きっぽいですか?
でも、
月曜日はあの本を読んで泣いて、
火曜日はあの服を着たい気分で、
水曜日はあの曲がずっと流れてて、
木曜日はあの店の商品が欲しくなって、
金曜日はやっぱりあの人が好きでした
全部、嘘じゃないです
否定なんて出来ないです
そうして思った事を、私はずっと、覚えてます
移ろいやすいこと、好きなものがいっぱいあるってことでしょう?
ね、ね、
そんな人生、素敵じゃありません?
【お気に入り】
______________________
知人に聞いた話だと、さようなら、は、一生の別れを彷彿させる言葉らしい。『左様なら』、だ、そうだ。これにて御免、と後に続く、とも、どこかのサイトに書いてあった。
拙いなりにイメージをした。
意思か、運命か。ともかく、分かたれたのだ。一緒に、時に交わり、時に添うように、進んできた己らの路が、真っ二つに、割れた。岐路に立たされて、また隣のそいつと歩く事も選択できて。
でも、なんか……嫌だったんだ。なんか、許せなくて、自分の信念とか、立場とか、プライドとか。そういうものが邪魔をして、お前がそう言うのなら、もう一緒には、歩けない。きっぱり言い切って、左様なら。軽く頭を下げて立ち去るとき、きっと振り返りはしないんだろう。
選択だ。
別れは唐突に、そして望まずやってくるものかもしれないけれど。さようなら、そう言ったのなら、それは自分の選択になるんだ。別れた君とは、同じ場所へ同じ様には行けない、という、選択なんだ。
だって、いらないだろう? そんな言葉は。
言わずとも、勝手に明日はやってくるんだから。時計の針はずっと進んで、いつの間にか24回刻んだら、それで今日は、もう、終わりだ。そんな面倒なカウントをしなくたって、刹那の連続の日々で、一瞬に前さえ決して戻れない。勝手に、過去になっていくんだ。
でも言葉にしたかった。それは何故?
大切な何かを決めたのかい。
少しだけ、ブルーな気分だったりしたのかい。
もしかして辛いことがあったのかい。
とにもかくにも、『今日』とかいう奴とは、そいつが象徴するなんかとは、もう一緒に居れん、と。言葉に出してきっぱり割り切りたくなる時があって。今日とかいう勝手な奴に振り回されたんじゃなくて、自分でお前にエンガチョしてやったんぜと言いたくて。
ぴぃ、っと一本線を引く。今日、はここまで。君とはばいばい、さよならだ。もう二度と会うこともないんだから、その感傷を、明日に持ち越さないでくれよ?
【今日にさよなら】
______________________
例えば、枯葉が積もったら腐葉土になる。
腐葉土は栄養豊富な土だ。土壌の生物が生きる上では欠かせない。
決して、無駄にはならない。失われるものではなく、また新たな命を育む糧となる。
或いはそれを、循環や、生の象徴と見ることも出来るだろうに。
何故僕らの目にはそれが哀愁に映るのだろう。
【枯葉】
2/19/2023, 2:21:35 PM