もち米

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「願い」
ずっと隣で見守ることしか出来ない自分が嫌いだ。
僕はなんて、馬鹿なのだろう。
君には時間が無かったのに。
明日が来る保証はどこにもなかったのに。
なにか、なにか、なにかなかったのか?
なんでもいい。ただ、見守ることじゃなくて、なにか、彼女に伝えられたことはあったんじゃないか?彼女に最後まで愛していると、伝えることが出来なかったのか。。
あぁ、結局後悔ばかりが残ってしまった。
僕は、僕だけはそんな無責任な人間では無いと信じていたのに。心のどこかで、まだ君が僕の隣にいるって、勘違いしてしまっていた。僕がずっと隣にいると、、そう、思っていたのに。君はあっけなく僕の前から消えてしまった。
最後の言葉は、「ありがとう。」で、終わろうと約束したのに。僕は、「ありがとう」さえ言えなかった。君が、とっても苦しんでいるのを見るのが辛かったから。涙を堪える事に必死だったから。でも、君はもう、この世界にいなくて、もう、「ありがとう」なんて、言えなくて。
僕がどんなにお金持ちであろうと、天才であろうと、君のことをどれだけ愛していても、、手を伸ばしても、伸ばしても、届かないこの想いを、、、あぁほんとに、なんて馬鹿なのだろうか。
なんで、僕は隣で見守ることしか、出来なかったのだろう。
君の命の中に、僕は入れただろうか?
ある日君が言ったね。「もし、何か一つ願いが叶うとして、あっ、私が死ぬのは確実で、私の寿命が伸びるとか。そんなこと以外で、何か一つ叶うなら、あなたは何をお願いする?」
その時の僕は、ほんとに無責任だったよね。
その時の僕は、君が僕の隣にいるのは当たり前で、普通のことだったから。
「そんなの、君が死んだら願いなんて叶わないっ。」って簡単に言ったよね。その時、君は申し訳なさそうな顔をして、
「そっか、、。」と、笑っていた。
でも、本当はさ、、ちゃんと、考えてたんだよ。もう、君に伝えることは出来ないし、叶うこともないけどね。でも、きっとどこかで君が聞いてくれていることを願うよ。

「君が死ぬ1秒前まで、寿命を縮めて-。」

3/13/2024, 2:50:13 PM