忘れられない、いつまでも。
帰り道、あの日に出会った友達。
あの日は夕日が綺麗に輝いていたのを覚えてる。
「なぁ、お前さ、1人なの?」
「…うん、1人だよ。」
ちょっとした坂から僕を見下ろす君。
黒色ランドセルはちゃんと閉めてない、風で横に揺れている。
「転校生?」
「うん、少し前に引っ越してきたの。」
そして君は「ふーん。」と興味なさそうに返事をしたんだ。
君は少し重い口で僕に言ったんだ。
「じゃあ俺と友達になってよ。俺が最初の友達になってやるよ。」
そう言って君は僕の目の前に立って、僕の手首を掴んだ。
「えっ…ちょっ…ど、何処に行くつもりなの!」
「俺が良いものを見せてあげるよ。」
そう言った君は無邪気な笑みを浮かべていたんだ。
あの笑顔が僕の中でいつまでも忘れられなくて、ずっと残っているんだ。
「俺が初めての友達だからな!そして、俺"も"初めての友達だしな!」
5/9/2024, 11:28:27 AM