アポロ123号!

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─子供のように─

彼女はよく笑う子だった

嬉しいとき

楽しいとき

悲しいとき

辛いとき

死んでしまいたくなるとき


君はいつも、笑ってた

「…どうして笑うの?」

幼い僕はそんなことを聞いたことがあった。
人には聞かれたくないことがあるって、
理解していなかった。

「私が笑うと、みんなも笑うから」

「笑うと本当に楽しく思えてくるから」

「笑っていないと、耐えられないから…」

齢7歳、僕と5つ離れた彼女。
泣き顔が相応の幼子の頃から、面倒を見てきた。
泣いたことがない子だった。

ぽつぽつと言葉を溢す彼女の瞳は、
キラキラと光る液体で溢れていた。
──────────
あれから10年。
17歳になった彼女は、今でもよく笑う。
子供のように笑う。

それと、たまに泣く。

みんな、子供みたいだというけれど、
僕は君がやっと子供になれたのだと、
喜ばしく思うよ。

今の君には、受け入れてくれる友達がいる。
歳は5歳しか違わないけれど、
なんだか、娘を送り出す父親みたいな気分。

友人達に囲まれた彼女の笑顔は、
あの頃の笑顔よりも、ずっとずっと綺麗だ。

10/13/2024, 5:15:58 PM