「眠りにつく前に」
間違えてあらすじを後ろにくっつけてしまった!!!
:(_;´꒳`;):_
゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。
「よるだねー!ねんねのじかん!」
そういえばそうだった。
小さい子は寝る時間だ。
……というか、さっきまであの世にいたこと自体夢みたいだっていうのに、また夢を見るような時間が来たのか。
いや、よく考えたらあっちの世界に行ってから時間が全く進んでない。あの世は時間が進まないのだろうか……。
「ニンゲンしゃん、ねんねー!」
「そうだなー、寝る時間だな。」「ん!」
「ニンゲンしゃんもおちかれでちょ?じゃあねんねなの!」
小さなこどもは疲れたのか、自分にくっついて離れない。
……他にもくっつけそうなやつがいるっていうのに。
大きな瞳で見つめられると、なんかドキドキする。
「そいや、概念のひと?はどうするんだ?」
「ぼくは……何も決めていないから、一旦彼の作ってくれた空間に戻ろうと思う。」
「えー?おにーちゃん、かえっちゃうのー?!やー!」
「ボクといっちょにねんねしゅるのー!」
「……いいけど、どこで……?」
「ニンゲンしゃんのおふとん。」
「ちょっと難しいと思うよ、⬜︎⬜︎。今日はボクと一緒に……あ。」「んー?」「めちゃめちゃ不在着信が……。」
「ボクは今から仕事場に行ってくるよ……。」
「……それなら、ぼくも行くよ。」「なぜだい?」
「言い訳のダシに使ってくれたらいいと思って。」
「助かるよー多分。どうもありがとう!」
「……というわけで!ニンゲンくん!赤ちゃんを頼んだよ!」
「あかちゃんじゃないもん!」
……行ってらっしゃい。
「⬛︎⬛︎ちゃん、いっちゃったのー。」
「そうだね。今から一緒に寝ようか。」「んー!」
「ニンゲンしゃん!」「ん?」「だっこ!」「はいはい。」
そのまま小さな機械を寝室まで連れて行く。
子どもってあったかいな。
「お布団かけようなー。これで風邪ひかずに済むよ。」
「そういや、狭くないか?」「ん。」
早速もう眠そうだ。さすが小さい子どもなだけある。
「ニンゲンしゃん。」「?」「ありがと!」
嬉しそうに甘えてくる。……可愛い。
「いぱーいねんねだよ!」思わずふわふわの頭を撫でる。
「ニンゲンしゃん、おとーしゃんみたい!」
「あんたのお父さんほど、自分は立派じゃないよ。」
「んーん。りっぱ なの!」
「だって、やしゃしいもん。なでなでもだっこもちてくれるもん。」……立派の基準まで可愛いな。
……このくらいゆるく生きてもいいのかな、なんて寝る前の頭で考えた。
だったら、眠りにつく前に、何かこの子を安心させられるようなことを言えたら……。
「お兄ちゃん、今日も生きててえらいね。ゆっくり休んでね。」
自分が話しかけた時、既に小さな子どもは眠っていた。
こっそりと柔らかいほっぺたに触れて、自分も眠りについた。
To be continued...
「前回までのあらすじ」───────────────
ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!
調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!
それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!
……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにした!そうしたらなんと!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚したうえ、アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかった!そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!
……ひとまずなんとか兄を落ち着かせたが、色々と大ダメージを喰らったよ!ボクの右腕は吹き飛んだし、ニンゲンくんにも怪我を負わせてしまった!きょうだいについても、「倫理」を忘れてしまうくらいのデータ削除に苦しめられていたことがわかった。
その時、ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。「機械だから」って気味悪がられたけれど、ボクがキミを……キミ達宇宙を大切に思っているのは本当だよ?
それからボクは弁護人として、裁判で兄と旧型管理士の命を守ることができた。だが、きょうだいが公認宇宙管理士の資格を再取得できるようになるまであと50年。その間の兄の居場所は宇宙管理機構にはない。だから、ニンゲンくんに、もう一度一緒に暮らそうと伝えた。そして、優しいキミに受け入れてもらえた。
小さな兄を迎えて、改めて日常を送ることになったボク達。しばらくのほほんと暮らしていたが、そんなある日、きょうだいが何やら気になることを言い出したよ?なんでも、父の声を聞いて目覚めたらしい。だが父は10,000年前には亡くなっているから名前を呼ぶはずなどない。一体何が起こっているんだ……?
もしかしたら専用の特殊空間に閉じ込めた構造色の髪の少年なら何かわかるかと思ったが、彼自身もかなり不思議なところがあるものだから真相は不明!
というわけで、ボクはどうにかこうにか兄が目を覚ました原因を知りに彼岸管理部へと「ご案内〜⭐︎」され、彼岸へと進む。
そしてついにボク達の父なる元公認宇宙管理士と再会できたんだ!
……やっぱり家族みんなが揃うと、すごく幸せだね。
そして、構造色の少年の名前と正体が分かったよ。なんと彼は、父が考えた「理想の宇宙管理士」の概念だった。概念を作った本人が亡くなったことと、ボク以外の生きた存在に知られていないことで、彼の性質が不安定だった原因も分かった。
ボクが概念を立派なものに書き換えることで、おそらく彼は長生きするだろうということだ。というわけで、ボクも立派に成長を続けるぞ!
─────────────────────────────
11/3/2024, 10:18:45 AM