彼女との出会いは今でも不思議な出来事のように覚えているよ。
彼女は白い髪に青い瞳をしていて、結構異質な姿をしてるのにも関わらず天使みたいに美しかった。
夏が終わりを告げ始めたセミの亡き頃、園芸部であった僕は植物の様子を見るために体育館の近くにあるのにやけに日当たりのいい温室に来ていた。
そこには居ないはずの人がいて、それは園芸部の部長と彼女だった、彼女は不思議な事に白い薔薇に青い絵の具を垂らして染めていた。
やけに美しいのにかなり変なことをする女の子で、部長も部長で、嬉しそうに彼女を見守っている。
僕は思い切って部長に一歩一歩近付いていく、すると部長は僕を見ていつもの暖かい微笑みを浮かべ、彼女を紹介するように手を広げる。
「彼女は今度転校してくる子なんだよ」
部長の言葉に、僕は少し戸惑った後に彼女に目を向ける。彼女はこちらに一度、目を向けた後に薔薇に気を取られたように目を戻す。
「何故彼女は薔薇を染めてるのですか?、というかこの時期に薔薇って…」
疑問のままに僕が彼女と部長に話すと、部長は少し言葉に詰まったようにしながら苦笑し頭をかく、彼女は手を止めて口を開いた
「青い薔薇が欲しいから」
彼女の声は澄んでいて綺麗だった、天使がいるのならこんな感じだったり?…僕はそんな事を思いながら彼女の青い薔薇が欲しいという言葉に興味を持った。
「青い薔薇は存在しませんが…染めてるなら知ってますよね、」
「ええ。」
僕がそう青く塗られ途中の薔薇を見ながら言葉を落とすと彼女は頷いて作業に戻った。部長は彼女の手伝いをするようにバラの花弁を支える
「彼女は好きなことに忠実だからね」
部長の優しい言葉が温室に音を生し、外のひぐらしの音が微かに聞こえた。
僕はそれ以上に話すこと無く、予定だった花の管理を終えて温室を後にした、扉を開けると夕焼けの蒸し暑さを無視するように風は少し秋の話をする。
彼女の視線が頭にいる。まぁ特徴的な子だったから、
そう、特徴的だったから…気になる理由を暑さのせいにするには時期が遅すぎたのかも知れない。
題名『青い花』
11/30/2025, 3:04:37 PM