ストック1

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人々は星を追いかけて、ひとときの夢を見る
それが星の仕事であり、夢を見せたいから星は星として輝くのだ
その姿は人々を魅了する
が、しかし
ごくまれに、星を追いかけるのに夢中になるあまり、周りの迷惑も考えないような輩が現れる
みんながいい夢を見ようと、協力してくれているのにもかかわらず、無自覚に悪夢を作り出すのだ
俺はそういった連中に警告をし、場合によってはつまみ出す仕事をしている
普段は星に夢を見に来た人々の誘導や、その人たちが安全に夢を見られるよう、様々なサポートをしているのだが、それで済む日ばかりではない
この仕事をしていれば、ふざけた奴にはいつか必ず出くわす
はじめのうちは手こずりながら、先輩に助けられつつ、対処していた俺だった
しかし、今では仲間からかなり高く評価される立場となった
ありがたいことではある一方、俺の仕事への意識に変わりはない
さて、長く続けていると、ヤバそうなやつというのはだいたいわかる
もちろん、実際は別にヤバくなかったり、ノーマークだったやつがやらかすこともあるから、一筋縄では行かない
百発百中なんて不可能だ
それでも、経験を重ねていけば自ずと人を見る目は鍛えられる
俺の的中率も、段々と高まっていった
だが当然、すべてを予測することはできないので、常に何事にも対処できるよう、全力の警戒を怠らない
それもこれも、星や他の人々が安心して気持ちよく輝いて、もしくは夢を見てもらうためだ
俺はこの仕事が好きだ
裏方として、夢を支えるこの仕事は性に合っている
星の輝きと、星を追いかける人々の夢を人知れず守るこの仕事は、俺の誇りとしてこの胸に刻まれているのだ

7/21/2025, 10:49:48 AM