彼女は花を育てる事が好きだった。あの人の家へ行くと、いつも花壇の近くで花に声をかけながら水やりをしていた。そして、花の匂いに誘われた虫たちも、受粉を促してくれると彼女は大いに歓迎し可愛がっていた。そんなあの人の家へ行くといつもお茶とお菓子を出してくれるので、僕は学校終わりはいつもあの人の所へ行くのが楽しみだった。沢山の花に囲まれた彼女の遺体を見ながらそんなことを思い出す。ああどうか喋よ花よ彼女に届けて欲しい。伝え忘れていた感謝の言葉を。
8/8/2024, 10:14:11 AM