26時のお茶会

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何気ないふり(忘れてたので未完。後ほど完成させます)



少年が目を覚ますとまだ夜だった。
なんだか喉が乾いていたから、もう一度眠る前に飲み物でも取りに行こうとベッドから降りる。
部屋のドアを音が立たないようにゆっくり開ける。皆寝静まって真っ暗だろうと思っていた廊下には、少し開いたままになっている台所に続く扉からオレンジの光がほのかに漏れていた。どうやら先客がいるらしい。

アールグレイと境界の魔女は手元のカップにぼんやり視線を落としていた。
湯気も見えないことから、飲み物を用意してから短くない時間が経っていることが伺える。それでもなみなみと注がれたブラウンの液体はまだ一滴たりともあの魔女の口内に招き入れて貰えないのだろう。

酷く整った容姿をしている境界の魔女は、表情をなくすと、現実味がいつも以上に希薄になり、レジンキャストで出来た精巧な球体関節人形を思わせる。
それが何だか気に食わなかった少年は、こっそりと覗くことをやめて、わざと音を立てて部屋へと入った。
一拍遅れて境界の魔女はゆるりと視線を少年へと向けて
「…ああ、僕のお砂糖ちゃん。どうしたんだいこんな夜遅くに。眠れなくなっちゃったのかな?今ホットミルクをいれてあげようね、こちらにお座り」


「…」

3/31/2023, 9:49:25 AM