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 君は夜空を照らす月であり、太陽だ。
 テストに、部活に、何にでも一生懸命な君に私はいつからか恋をしていた。ただ遠くから眺めるだけの恋だった。
 私はいつも君を目で追っていた。だから知っていた。君があの子に恋してること。あの子に向ける視線も笑顔も他の人には見せないってこと。
 君を想って胸が高鳴ることもあれば、君のことを想って泣いた夜もあった。
 私はあの子にはなれない。君の好きなあの子にはなれない。
 もしもこの世界に神様がいるなら、神様はきっと意地悪で嘘つきだ。愛は世界を救うとかそんなの嘘だ。
 だって私、君があの子に嫌われればいいなんて考えてしまうの。
 ねぇ、私の隣に、傍においでよ。

3/10/2023, 4:16:12 PM