言の葉 音の羽

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私が初めて愛情を持った人は同性の人だった。

私はあなたの前にいる今よりも前に会っていて、憧れていた。あなたの姿に憧れた。あのとき、私の視線を奪ったのはあなただけだった。あなたしか私の視界にはなかった。純粋にかっこいいと思った。絶対にあなたの前に行く。そう決意した瞬間だった。
それから月日は流れ、憧れのあなたの前にいれるようになれた。
あなたと関わるようになって、話すようになって、あなたといる時間が楽しくなった。私が生きているどの時間よりもあなたといる時間の方が楽しくて、幸せで…。その時間だけが待ち遠しかった。
あなたに対して、憧れと好きという気持ちが募るばかりだった。その気持ちはいつしか愛おしさに変わっていた。あなたは誰かに愛されることを望んでいた。私は……私はあなたに愛情抱くようになっていた。私はあなたを愛している。あなたの心を、あなたの作る世界を、あなたの全てを愛している。

これが私の愛情。
恋が作る愛情を私は知らない。でも、今は、あなたへの愛情が尽きてしまうまでは、いや死ぬまで、恋が作る愛情を知らなくてもいい。今はまだ知りたくない。だって、あなたを愛しているから。あなたへの愛情が尽きないから。あなたへの愛情をまだ伝えていないから。

11/27/2023, 10:29:34 AM