極星

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愛と平和を歌う俺に、お前はせせら笑いを向けて背を向けた。お前に贈る愛の歌を、どうにも気難しい俺の細君は、お気に召さなかったらしい。

そんなことより、今日の夕飯は何がいいの? 歌よりも好物を言え、この馬鹿!

酷すぎる言い様に俺は頭を抱え、蹲る。そして今日もまた、俺は叩きつける雨の中で蹲っていた。
家の鍵を忘れた、どうしよう。アイツは旅行中なのに。困り果てていると、俺の携帯に着信があり、これは天の救いかと取れば、それは絶望への誘いだった。

「奥様が事故に……」

もう死亡確認がされているから、直ぐに来てくれ。そんな言葉に俺はまたもや蹲り、あの日のことを思っていた。

3/10/2026, 10:07:38 AM