「きらめくよるに」今更泣いたってあの子は帰ってこない。こんな夜景の綺麗な部屋なんか借りるんじゃなかった。涙の中で街灯が乱反射する。もう、きらめきしかみえない。ふと立ち上る残り香。熱い夜のあとにあの子が残したタバコ。灰皿ごと全部、ゴミ箱に放り込む。窓を開ける。部屋と夜景が溶けて、境目がなくなる。もういらない。あんな夜、私には無かった。あんなきらめきも、私には無かった。
9/4/2024, 4:01:18 PM