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『夏の匂い』

部屋の扉を開けたその瞬間。

呼吸するだけで喉がひりひりするような熱と、背中に感じるじわっと蒸した湿度。抜けていく風すら熱波のように感じられる、まさしく灼熱の季節だけど。

この、自分が今から弾けるポップコーンにでもなりそうな暑さにならないと感じることの出来ないワクワク感。

ただの暑い日。でも、何かが始まりそうな冒険心をくすぐる香り。なんとなくそう思わせるのは、やっぱり幼少期の思い出が大きいのかもしれない。

なんて思いながら、今日も快適なエアコンの効いた部屋に背を向けて、眩しい日差しの中へと踏み出すのだった。

7/1/2025, 3:04:55 PM