酔生

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ある日、街から音が消えた。秋の風に身を任せるように葉が優雅に舞散り、普通ならば地面に落ちればカサカサと音を立てる。しかし今はただ虚しく、音もなく地面に降り積もるだけだった。まるでサイレント映画の中にいるような、奇妙な感覚だった。音を求め街を歩く。思いっきり足を上げ、ドンと地面に叩きつけるように踏み下ろしてみた。当然、音はない。暫く歩いていると、壁のようなものにぶつかった。___その先には次へ進むための道はない。フィルムが途切れていた。

12/19/2024, 10:36:52 AM