私は校舎の横にある屋根のついた自販機コーナーにいた。
そこへ設置された椅子に座って空を見ている。
放課後、何となくやる気がでなくて、そこへ座ってボーっとしていた。
これからすぐ帰って期末テストの勉強をしなきゃいけないのに。
考えれば考えるほど追い詰められていくようで。
覚えても覚えても覚えることが無限に沸いてくるようで。
どうしようもないと感じる。
だから、少しだけ
少しだけここで休憩することを自分に許した。
ただ座ってボーっとしているだけで
束の間嫌なことから逃げられた気がした。
空を見上げる。
今日の空は曇りで、どんよりと黒と灰色の雲がグラレーションを織りなしている。
混沌の世界を表現したらあんな模様の絵画になるだろうか。
今にも雨が降りそうな物憂げな空。
私というフィルターを通しているからそう感じるのかな。
私の心の雨ももう降り出しそうだ
と、私はそう心の中でつぶやく。
そう言ってはみても、雨がザアザア降りになっても誰も助けてはくれないから
私はゆっくりとベンチから腰を上げると家へと帰宅することにする。
この先に続く道が果てしない暗記の雲の渦に呑み込まれるしかないのだとしても。
2/25/2024, 10:49:08 AM