ひらひら、ひらり。薄紅色の花が舞う。春の風が枝を揺らす。そのたびに舞う、小さな花びら。雪のように儚くて、でもあたたかい小さな欠片。風流だねえ。ひらひら、ひらり。歩道橋のど真ん中。男が一人、笑いながらボストンバッグをぶちまけている。舞っているのはいくつもの紙片。お金だ。数え切れない程の紙幣が舞っている。男に何があったんだろう。風流とはほど遠いけど、昔は時々あった光景。時代かなぁ。END「ひらり」
3/3/2025, 3:30:05 PM