お題 / 行かないでと、願ったのに
タイトル / 花に想いを乗せて
【僕】
いつもの朝にいつもの部屋。何ら変わらない僕の日常は今もずっと止まることなく動き続けている。
でも、胸の真ん中がぽっかりと空いたようにどこか物足りなく感じる。でも、その正体は全く分からない。いや、分かりたくない。だって、この空虚な心を埋めてくれる君にはもう触れることが出来ないんだから。
もっとずっと一緒にいたかった。
『どうして…』
そんな言葉がふと口から漏れでる。いくら後悔したってもう遅いのに。あの事故さえなければ君を…いや、こんなこと考えても虚しいだけだ。
今はただ、君の幸せだけを願う。こんな僕を愛してくれてありがとう。
【君】
ある日の事故、あれさえなければ貴方と私はまだ一緒にいることが出来たのかな?もっとたくさん、思い出を作れたのかな?誕生日だって、お祝いしたかった。おめでとうっていってプレゼントを渡して…でも、もうこの声もプレゼントも貴方に届くことは無い。「辛いよ…」
「どうして私を置いて行ってしまったの…、?置いていかないで…」
そう答えの無い問いを宙に投げかけることしか出来ない。なんて無力なんだろう…
どこにも行かないって約束してくれたのにな…
そうして、無気力なまま呆然と過ごしていると時間が経つのはあっという間だった。
そして今日は、彼を見送る日…。今私は彼が入った棺の前にいる。もう会うことはできないんだと再確認させられたみたいで散々泣いたはずなのにまた涙が込み上げてくる。貴方に思いが伝わるように、貴方の幸せを願って、シオンとキキョウの花を棺にそっと入れた。
もし、また出会えたら今度は置いて行かないでね。
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最後に棺に入れた花の意味
シオンの花言葉は、「追憶」「あなたを忘れない」「遠くにある人を想う」
キキョウの花言葉は、「永遠の愛」「深い愛情」
誤字脱字があったらすみません。
11/4/2025, 8:57:55 AM