瀬良

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空知らぬ雨とはよく言ったものだな。
きみの空のような碧から大粒の涙がこぼれた時に、ふとそんなことを思った。その雨を止める術を持ち合わせていなければ、雨を凌ぐ傘も持っていない僕は困り果ててしまった。
別に、きみにそんな顔をして欲しかった訳じゃない。それなのに、僕の言葉は存外君の顔を曇らせてしまうらしい。
ただ、僕はきみに笑って欲しいだけなのに。たったそれだけなのに。どうにか上手くいかないんだ。嗚呼。恋とはなんて難儀なものなんだろうか。

きみの望むものならなんでも差し出すから。どうか、どうか雨よ早く止んでおくれ。そして太陽のような眩しい笑顔を見せてくれないだろうか。

9/16/2024, 4:02:27 PM