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怖がり

「お兄ちゃんいる?」
「居るからさっさとすませろ!!」
と俺はトイレのドア越しに叫ぶ

と俺は今弟のトイレに付き合っている
昼間テレビ画面に何の気なしに流れていた
心霊番組の幽霊スポット特集や
心霊写真特集をたまたま側に居た弟も
一緒に見てしまい今になって怯えて
しまい一人でトイレに行けなくなって
しまったからだ。
俺は弟とは正反対でそのての番組に夢中に
なっていたので怖がって居る弟に気付け無かった。

弟の怖がりの性格は、俺なりに熟知して
居たので遠ざける事も出来たのだが
気づいた時には、もう遅く弟は
完全に固まり隣のテレビが無い別の部屋に
逃げ込むと言う考えも思い浮かばず
ましてやテレビから視線を逸らすと言う
簡単な方法すら思い浮かばないらしく
番組が終わるまでテレビを凝視ししていた。

そうして今に至っているのだが.....

弟がもう一度トイレのドア越しに
心配そうに聞いて来る。

「お兄ちゃん居る?」
「だから居るからさっさとすませろって」

「お兄ちゃんが幽霊って事ないよね?」と
弟が唐突に馬鹿な事を聞いて来た。
「此処まで手を引いてトイレまで連れて来てやっただろう? 幽霊は生身の人間には触れないだろう?それが答えだ」
それを言うと弟は安心した様に
「そうだよねぇよかったあ~」と水を流した音と共にトイレから出て来た。

そうしてまた安心させる様に俺は弟の
手を引いて自分達の部屋に戻る為
暗い廊下を歩き始めた。

途中暗い廊下にぼわっと軽く仄かに薄く
火の玉みたいな物が俺と弟を取り巻いて
いたが それを弟に言うと今度はトイレに
行けなくなる所か眠れなくなるので
俺は静かに黙って弟を部屋へと連れて行った。....。

3/17/2024, 3:37:49 AM