Open App

特別と差し出されるお菓子の
どれが本当の特別だったのか
一人だけと渡された贈り物が
何人の手に行き渡ったのか
幾度も幾年も繰り返されたことに
今更期待も感情も無く
だからその日「二人だけ」と
誘う言葉に頷いた時の顔も
真に二人しか居ない場所で
「君だけ」と切に訴えた声も
表層の理解すら程遠く
ただその気だけが全く知れない

‹ただ君だけ›


己の人生の舵を他者へ渡してはならないと
そんな歌を勇ましく歌う君は
いつも他者を伺い雰囲気に同調し
少し苦しそうに生きている

何度でも戦って何度でも立ち上がれと
そんな歌を強く張り歌う君は
いつも和を重んじ反対には折れ
少し泣きそうに生きている

君の選ぶ歌達が
ただ何かで好きなだけなら良い
君自身の鼓舞だとしても
それを聞く私への訴えでも良い
けれどもしその歌が
自責と自己攻撃であるならば
自傷で自壊してしまう前に
真剣を他者へ向けること
せめて私の手の届く限りは
その刃掴むを厭わないから

‹未来への船›

5/13/2025, 10:03:08 AM