いつも1人でいるような気がした。
それは多分、思い込みで、周りからはそうは思われていないというのはわかっている。
クラスで一人ぼっちというタイプではなかった。
良くも悪くも、誰とでも話すことができたし、誰のことも避けたりはしなかった。
大人と会話するのも得意だ。
テストの点も、平均点かその下を取れる。
中肉中背で、髪の色は黒で、癖毛でもない。
でも、『皆』と同じ側、『皆』の中に入れている気はしない。
それは今だってそうだ。
『皆』の側というのは、屈託なくハロウィンを楽しめる側であり、
結婚とか恋愛について、根拠なく『幸せなもの』と考えている側であり、
国際スポーツ大会を見ながらビール片手に騒ぐことになんの葛藤も覚えない側だ。
そちら側ではないという強い確信。
何度か『皆』の側に行こうとしたが、その都度、
寝込んでしまうか
吐いてしまうのだった。
いつも、1人でいるような気がする。
それは今も変わらない。
ただ、こちらを覗き込んで尻尾を振る君がいる。
君は『皆』なんて気にしない。
美味しいご飯を勢い込んで食べる。
投げたボールを追いかけて
風の匂いを嗅ぐ。
雨の音に耳を傾けつつ、昼寝をし
雪の動画を不思議そうに眺める。
今この瞬間に全力で取り組む。
1人かどうか、『皆』の側かどうかなんて頭にないだろう。
だからいい。
どうか少しでも長く、
君と一緒に。
1/7/2023, 7:53:18 AM