いつか
いつか私がだめになったとき
あなたは助けてくれるだろうか
そんな淡い期待は数年前に砕かれて、結局誰からも助けてもらえず全てを失った。いや。正確には私が遠ざけてしまってそのまま縁が切れただけだったはず。
特に惜しむことはないけれど、あの時期のことはあまり記憶がない。人生のどん底とはああいうものだったんだという認識だけ残っている。私にはそれがあまりにも心地よかった。
縁が切れてしまったのは悲しかったけど安堵したのも事実だ。仲良くはしていたけど友だちでもない人たちに囲まれて過ごすのは苦しかった。そんなだから信頼関係なんてものはなく、私がいないところでバカにしていたのには気づいていた。そんなことはどうでもよかった。それだけで関係を保てるなら安いものだ。
なんてことはなく、積もり積もった透明なストレスが私の首を絞めた。雨の日は窓を開けた、ベランダに出た、深夜にこっそり散歩した。傘なんて差さず濡れながら時間が過ぎるのを待っていた。
私がだめになったところで代わりはいくらでもいる。
助けなんてこない。我慢してもしなくても陰口はやまない。雨に打たれてどれだけ洗い流しても消えやしない。
―私という存在は雨に溶けることすら許されないんだ
【題:雨に佇む】
8/27/2024, 10:24:28 PM